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多忙につき。
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 確かな充実感を伴うその余韻に私はいつまでも浸っている。
 
 北京日本文化センターで開催された「和文化体験倶楽部」に書道の講師として呼ばれた。そのイベント内容を主催者側の立場から説明すると……。
 
1. かるたの遊び方を教える。かるた独特の詠み方で「花の色は~」と吟じ、意味も教える。

2. 筆で色紙に「花の色は移りにけりないたづらにわが身世にふるながめせしまに」を書いてもらう。

3. 和紙人形を折り、色紙に貼ってもらう。
 
 参加費無料。日本って太っ腹。あんなことされても寛大。国際交流基金のHPに書いてある。「文化芸術交流、海外における日本語教育および日本研究・知的交流の3つを主要活動分野としています」。今回のイベントは明らかな知的交流だ。心のきれいな人たちによって行われた交流。
 
 このところ中国にいる日本人は自分が日本人であることを明らかにしたくない。乗車拒否されるのが嫌だからタクシーに乗りたくない。普通は歩かない距離を歩いた。自転車を買った。みな私のまわりの友人の話である。
 
 日本のことを本当に嫌いな中国人はいったいどのくらいいるのだろうとまじめに考えた、そんな時期に企画されたにもかかわらず、定員をはるかに越えた応募で、当日会場にやってきたのは日本語が少なからずできる、日本文化に興味を持つ中国人ばかりだった。
 
 私の担当部分は小筆で色紙に「花の色は……」を書かせることだった。普通にひらがなを並べるだけなら、自分でも書けるので、お手本をコピーして渡し、連綿のある「仮名」(変体仮名なし)を書いてもらった。
 
 現在中国の小中学校で毛筆書道は必修ではない。よって、筆で字を書いたことのない若者が漢字を書くのも大変であろうに、それがひらがな、しかも平安調の仮名に挑戦したことになる。でも初めてにしては上出来で、立派な作品を完成させ、お土産として持ち帰ることができた。
 
 多少の指導はしたものの、ひたすら書かせたので、皆さんとゆっくり話せなかった。それでも「日本へ旅行に行ったばかり」。「ドラマで日本語を覚えました」。「日本に留学したい!」というナマの声を聞けて、安堵するような気持ちになった。
 
 約3時間のイベントが終わり、会場を去る参加者たちを一瞥もせず、「まだ書きたい」と一人の男子が席に着いた。自分の書いた字が気に入らなかったらしい。私が見て、誤字や形が特に悪い字を実際横で書いて指摘し、彼は懸命に取り組んだ。書き終わり、立ち上がって、その場で何度もおじぎし「有難うございます」を繰り返した。そしてリュックを背負い、帰るのかと思えば、わざわざ私の半径50cmまでやってきて、深々と頭を下げ、「有難うございます」と言った。そのときのおじぎが深すぎて、リュックが頭から落ちそうになった。
 
 うれしかったんだろうなあ。私も同じくらいうれしくなれた。
 
 イベント終了後アンケートをしているのだが、そこには「日本語学習者にとってとても役に立つイベントだと思う」。「日本の伝統文化が体験できて、とてもうれしい」。そういったプラス面ばかりの感想を読む私の目は潤んだ。
 
 大好評につき、同じ内容で2回目以降も実施される運びとなった。再び中国人と至福のときを共有したいと思う。

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再開に際し…
充電完了、祝復活!
功夫man 2012/11/09(Fri)00:24:33 編集
感動しました!
ブログ復活、よかった!

この時期に、とてもいいお話です。

北京に住む日本人として救われる気持ちになりますし、心が洗われます。

国民レベルでのこうした交流で相互の理解が広く深まれば、少々の摩擦では揺らがない友好が築けると思います。

みどり先生、次のノーベル平和賞候補かもー!
ペン字修行中 2012/11/10(Sat)07:26:37 編集
嬉しい
私も、この催しの記事を読んで、暖かい気持ちをいただきました。
準備される先生のご苦労もあるでしょうが、このような真の友好ができる場面があることは、私もうれしいです。
jojo 2012/11/10(Sat)12:34:23 編集
祝成功
企画が大成功で本当によかったですね!こういった心温まる交流や普段からの地味なふれあいが民間交流としては一番大切だと感じます。 個人的な経験(よい経験)はいつまでも心に残りますものね。 お辞儀の方はとっても礼儀正しいですね。 それにしても北京のタクシー乗車拒否問題大変ですね。。早く普段の北京に戻る事をねがっています!
2012/11/13(Tue)08:11:47 編集
役に立てるならどんどん役に立ちたい
功夫man氏、ブログって毎日更新しなくてもいいって知ってました?(って、アホのセリフか)。もう毎日更新しなくなると、だらだらと「休んでいい態勢」になってしまいますね。ネタは有り余っているので、ガンガンいきます。

ペン字修行中さん、ノーベル理系賞はそれはそれは人類のためにすんばらしい研究成果を出した方々なんでしょうけど、平和賞だけは納得がいかない。その人のおかげで顕著に平和になったとは思えない。私なら真の意味で平和に導けそうだが(どんだけ偉いの?アタシ)、歴代の平和賞受賞者がああなので、私は辞退します。

jojoさん、イベントが終わってから3週間以上たちますが、私には「思い出すだけでよかったな感」がまだまだ残っています。その愉悦をブログでどのくらい読者に伝えられるか、はなはだ疑問、なワケは決してなく、十分伝わっただろうという充実感で、胸がいっぱい。そうこうしているうちに、第二回が今週末に開かれます。前回の反省点がいくつかあるので、頭使ってよりよい内容にしたいと思います。

亜さん、来たのはみな20代。女子のほうが圧倒的に多かったな。日本文化に興味を持つ子がこれだけ集ってくれると、イベントのやり甲斐があるというもの。

北京はずいぶん落ち着きましたよ。今はみな普通にタクシー乗っていると思う。昨日も友人とバスに乗って、普通に日本語話しましたし。
みどり坚信的力量(信じる力) 2012/11/13(Tue)10:08:35 編集
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