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これでもかっ!「蘭亭展」会場の様子(動画)in北京
 書道に興味を持つヒトが私のまわりにたくさんいて、蘭亭についていろいろ教えてあげたいけど、逸話が多すぎて、どこから話していいか迷ってしまう。
 
 まずこれだけは押さえていてほしい。「王羲之の真蹟(肉筆)は一つも残っていない」。
 
 理由はエゴ。唐の太宗皇帝が王羲之の書を酷愛し、権力を駆使した蒐集品は2290紙(楷書50紙、行書240紙、草書2000紙)になったと言われている。王羲之の書を自分の墓に副葬させるよう遺書に書いてあって、本当に埋葬されてしまったので、今残っている王羲之の作品というのは後のヒトにより作られたもの。唐の太宗は複製の専門官である馮承素、趙模、韓道政、諸葛貞という供奉搨書人(きょうほうとうしょじん)に『蘭亭序』の摸書を命じ、欧陽詢、虞世南、褚遂良に命じて、臨書をさせている。
  
・欧陽詢の臨書は定武本『蘭亭序』
・虞世南の臨書は張金界奴本『蘭亭序』
・褚遂良の臨書は褚摸『蘭亭序』
・馮承素の摸書は神龍半印本『蘭亭序』

 

 故宮の蘭亭展を見たいが、日本にいて見られないというヒトに、ニュース(動画2分23秒)を教えてあげた。故宫年度大展《兰亭特展》会場の雰囲気がわかるかなと思って。ついでに北京に住んでいて、これから観に行くというヒトにもささやかな予習として以下を教えてあげた。
 
  
[00:00.20](20秒目) 日本で「神龍半印本」、「八柱帖第三本」とも言われるが、故宮の展示では「冯承素摹本」。「永和九年」から始まる本文ははっきり写らないけど、その前の大き目の四字「晋唐心印」は乾隆帝の字。
 
[00:00.23] 「八柱帖第二本」。褚遂良が書いたといわれている。
 
[00:00.50] アナウンス「乾隆帝が収蔵していた『蘭亭八柱帖』をすべて展示しています」。
 
[00:01.02] 女性職員「冯承素摹本は濃淡乾湿も王羲之のオリジナルをよく模倣しています。たとえば、『向之所欣』の『向之』は濃く書かれています。」
 
 
e5b94815.jpeg 

 この写真を参照のこと。3行目下のほう。わざわざ「向之」ってしゃべってんだから、カメラ!「向之」を写せっての!どこに目ぇつけとんじゃ、BTV!
 
[00:01.52] 平復帖

[00:01.56] 伯遠帖
 
 王羲之の書いたものではないが、同じ時期の名品として、平復帖も展示されている。これを東京の師匠に電話で言ったら「えええ?平復帖も出てるの?」(感動で暫し絶句)。そして「絶対行かなきゃ」と。平復帖と伯遠帖については後日記す。
 
 
 最後にもう一つ強調。王羲之の書いたものはない。その代わり「唐代以降の著名な書家が書いたものが残っている」と言われているが、本当にその有名なヒトたちが書いたのかも確定はできない。作品名にも「传」(伝)とついていたりする。多くの学者により真偽両論が展開される中で、郭沫若が文革直前に発表した蘭亭序偽作説は一大センセーションを巻き起こした。「古来からの権威に対して偶像破壊を行うことがよきこととみなされたからであって、右派とされて抹殺されないためのポーズの一つだったのでは」とも言われた(ここにそう書いてある→「蘭亭偽作説」)。
 
 誰が書いたものであろうと、実際見て「上手。美しい」だから、いいんじゃないの?と単純に思うけどね。

拍手[4回]

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【2011/10/13 09:55 】 | 書道 | 有り難いご意見(2) | トラックバック(0)
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有り難いご意見
2度目行ってきました^^
みどりさん、メールありがとうございます。
今私メインに使っているメールが不調なのでこちらからお返事させていただきます。

先日2度目の蘭亭展に行った際、故宮に就職した友達に会って聞いてきました。
平復帖と、伯远帖は、7日に引っ込めるそうです。

やっぱり11月7日までに行くのがオススメですね。
ちなみに、あの雑誌は、売り切れていました。
私はその友達から購入することができましたが、あとは予約をするか、運がよければ入荷されている・・という感じでした。
以上・・報告でしたm(__)m
【2011/10/13 12:21】| | LEMO #4fbe201e1c [ 編集 ]


教えてくれて有難っとさん
故宮微博の情報は正しかったか。雑誌、問い合わせてみるわ。またゆっくり会いましょう。
【2011/10/15 05:59】| | みどり1位♪关灯燃烧黑夜 #55ff3db2e3 [ 編集 ]


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