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<上>より続く。
受講者に「福」を書いてもらう。「福」の右側は横線が6本あるが、たいてい無意識に等間隔に書いている。でもそれではパーツとパーツの間が開きすぎる。一と口、口と田の間を狭くするように話す。 練習開始。家で私が書いてきたのを置く。 さらに目の前で書いて見せた。しばらく静かに練習が続く。一人ずつまわって、私が筆で赤を入れる。 あ、赤い墨汁を買っておいてくださいと頼んであったんだけど、「間に合いませんでした」。注文はしたんだって。そんなこともあるだろうと、持参した私。 1時間ってあっという間だと思ったけど、静か〜な空気が流れること10分。今回は書道初めてですの人が多くて、このまま楷書だけ書いててもなーと思って、行書について説明する。「普段、一画一画字を書いていませんよね?ちょっと続けて書いてみましょう」。 40分くらい経ったところで、一人が「帰ります」。そうだよね。始まったの遅いもんね。私も帰りたかったわ(おいおい)。 45分経って、赤い紙を配る。「一人二、三枚あるので、練習だと思って書いてください」。私は隷書、篆書のお手本も書いて置いたが、書道をやったことのない、でも好奇心旺盛な女性が「私、隷書書きます!」。こうであってほしい。たった一回の体験イベントなんだから。 ある人は「赤い紙は書きません。先生が書いてください」。正しくは「先生が書いて、ください」。私が書いてのを持って帰りたいという。 中国人のイベントで絶対ある。自分は書かないで、私のが欲しい。これは体験だから、下手でもいいから書いて欲しいのに。 「あなたが一枚書いたら、私が一枚書きます」。条件を出す。毎回毎回毎回毎回そう言う。しぶしぶ書かせた。そして私も一枚書いた。 それを見た人は全員「私にも書いてください。持って帰りたい」。「はいはい。でもまずは先に自分で書いてね」。 書き上がって終わり。どんどん席を立って、私に「再见」とか「谢谢」とか言って、部屋を出て行くのだが、赤い紙しか持っていかない。練習で書いたほうはすべてそのまま置いて行く。これ、日本人なら絶対すべて持って帰る。これまでのイベントでも「持ち帰ってください。要らないのはこのゴミ袋へ」と言わないと、片付けるのが大変になってしまう。 ある人:先生は硬筆の先生ですか? 私:毛筆も硬筆も教えます ある人:小楷、書けますか? 私:書けます 自分で書いた「福」の横に今日の年月日を私に書いて欲しいという。ここで「書けません」と言えば、書かないで済んだのか??書いてあげたけどね。 人がどんどん減っていくのに、一生懸命篆書の福を書いている人あり。え?見たことないけど、え?今来た?え?っつーか、異常に上手い。え?何?書道の先生来た?え?どゆこと? ゆっくりゆっくり篆書の「福」を書き上げる。職員が私に紹介する。「ここの職員です」。この日の参加者じゃないけど、書道をやっていると聞きつけてやってきた。まぢ上手(うま)し。私がエセじゃないのか試されているのかとドキドキした。 その人が私に请老师指点と言った。近寄る。よく見る。 私:形はとてもよくとれています。篆書って誰にでも書けるわけでないので。 その人:私は篆書が好きです。邓石如を練習していました。でも楷書を練習したことがありません。私の字はどうですか? 私:形はいいんだけど、力が足りない。たとえると、フって吹くと字が飛びそう。 ちょっと失礼かなと思ったけど、弱々しいのが気になったので、正直に言った。 私:力というのは太いということじゃないです その人:わかります。じゃあ、どう勉強したらいいですか? 私:楷書からやったほうがいいです その人:1日どのくらい練習したらいいですか? この質問すごく困る。「◯◯を書きたいけど、どのくらい時間が必要ですか?」。人によって完成までの時間は違うから、本当に困る。ピアノと同じで毎日練習したほうがいい。ただ、やみくもな独学は危険。一枚目と百枚目が同じだったら意味がない。長けりゃいいってもんじゃない。 あとでわかったのだが、二人、本来出席すべき受講者じゃなくて、この会社の人が紛れ込んでいた。うち一人が「先生は具体的に指摘してくれるのがいいです。自分の字のどこが悪いかよくわかった」。これを繰り返した。中国人の先生だとピンポイントで丁寧に言ってくれない。 12月の一つ目の大きなイベントが終わった。中国人に日本と関係ない書道を教える。初めての体験だ。準備はしたようなしてないような。どうにかなるとは思ったけど。無事終わった。イライラしたけど。 今は次の準備をしている。 PR |
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