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今頃だけどね。ものすごく話題になったドキュメンタリーについて。 柴静(元CCTVのキャスター)が自費で100万元かけて作った空気汚染を扱った動画、3月に世に出てすぐにアクセスが1億に達し、話題沸騰。後にアクセス禁止になってしもうた。 内容は……。アメリカやイギリス等にも行って取材。工業が発達しているのに、なぜ汚染は減っているのか、数値を出して検証。汚染を出す工場を取り締まるのはどこなのかと、中国国内のいろんな役所へ行っても、うちじゃないうちじゃないとたらい回し。管理部門がしっかりしなきゃいけないと指摘している。 空気汚染解決のために、一般市民は何ができるかについて、問題を見つけたら「环保举报电话」(環境保護通報ホットライン)12369に通報したり、微博などで公開したらいいと提言。これはいかにもジャーナリストの視線だなと思う。 空気汚染、道路渋滞の対策として、北京では車の制限をしている。ナンバーで規制して、月曜日から金曜日のうち、乗れない日が1日ある。ナンバー末尾が1と6は月曜に、2と7は火曜に乗ったら、減点、罰金が科される。3カ月ごとに曜日は換わる。確かにこの策で多少車の数は減る。でもこれ、仕事している人にはすごく迷惑な策だ。うちなんかこれのせいで離婚しそうになったしー(過去記事ここへ)。 柴静は運転状況についても詳細なデータを出している。北京では自分で運転して通勤する人の44%は5キロ以内なので、この人達は乗らないほうがいいと提唱。いや、5キロなら乗せてあげたい。 中国がほかの国よりもはるかに空気が悪い原因の一つに石炭がある。首都北京の、郊外でもない団地に住んでいる私の家では、毎冬3カ月分の暖房費を団地の管理事務所に払う。団地の中にある大きなボイラーで石炭が炊かれ、大きな煙突から煙がもくもくと外に出る。うちの隣のマンションも同じだ。うちの窓から隣の煙突のもくもくがよく見える。 この煙を外に出さない設備を作ればいいのにと私が思って20年は経っている。中国では石炭暖房はすぐには減らせない。だって、コストが一番安くて、暖房効果が一番高いから。この国はいい大学出て優秀な人材がたくさんいるんだから、誰か早く対策を考えてくれ!とずっとずっと思っている。 私はこの動画、娘と一緒に見た。娘が「パパに絶対見せる」と言った。なぜなら、ダンナはアトリエで石炭を炊いているから。「石炭じゃなくてクリーンエネルギーに」なんて高尚なことは思いつかない高校生なので、ただ「パパの体に悪いから、マスクするように言いたい」と。 北京の日本人学校の子は空気悪い日にはみんなマスクをする。周りがみんなしているのに、一人だけしないの、おかしいから。自分を囲む常識に従っている。うちの娘はマスクする。頭で「しないと体に悪い」とわかるから。理性があるから。でも、息子はしたことがない。「ええ?今日は数値1万ですか?」と思ったほど、外が真っ白で、5m先も見えなかったあの日を除いて。絶対にしない。なぜならクラスの子が誰もしないから。 中国人でマスクをする人は少数だ。ダンナはどんなに空気が悪くてもマスクをしない。私が数年前に「空気清浄機を買いたい」と言ったとき、「そんなものは必要ない。そんなに空気がいいところがいいなら、山の中へ行け」と言った。さらには「そんなに空気を気にするなら、日本へ帰れ」とまで言いやがった。なるほど、筋は通ってる(おいおい)。 空気汚染の解決策は、気の長い話だけど、教育の普及だと強く思った。質の悪いもの(ここでは石炭)を作っても、売っても良心が咎めない。まわりがやっているから、自分もやる。 たとえばだ。日本にいる日本人で、儲けが多くなるからって、ニセの薬作る人いないでしょ?まわりにそんな人いない。でもこの国には少なくない。路上で「薬買取ります」っていう人が立っていることがあって、期限が切れた薬を回収して、どうにかして市場に乗せてしまったりする。民度が上がって、環境がよくなれば、いろいろな問題が解決されると私は思う。 マスクの着用はモラルの問題ではないが、環境が大事だということを、この動画を見て、一番一番感じた。
見てない人はyoutube等から見たら良い。
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