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【2024/04/20 16:09 】 |
これでもかっ!「蘭亭序」の日本語訳
 台湾の歌手周杰倫で検索してきたヒト、ごめんなさい。ここ真面目な書道ブログなもんで。周杰倫の歌に『蘭亭序』というのがある。歌聴きたいヒトはここへ
  ♪兰亭临帖行书如行云流水♪ その行書は行く雲、流れる水のよう。方文山の詞はいいと思う。

 で、本題。私ぃー、現代中国語もよくわからんのに、古語。もっとわからんわ。ネット上、そして本にある日本語訳をいくつも見て、総合してみた。

 王羲之『蘭亭序』の日本語訳いってみよう。
 
永和九年,歲在癸丑,暮春之初,會于會稽山陰之蘭亭,修禊事也。
群賢畢至,少長咸集。
此地有崇山峻嶺,茂林修竹,

永和九年癸丑の歳、三月初め、会稽郡山陰県蘭亭に集ったのは禊(みそぎ)を行うためである。
賢者がことごとく集まり、老いも若きもみな集まった。
この地には高い山、険しい嶺、茂った林、長い竹がある。

 
又有清流激湍,映帶左右,引以為流觴曲水,列坐其次。
雖無絲竹管絃之盛,一觴一詠,亦足以暢敘幽情。

また、清流や早瀬があり、左右に照り映えている。その水の流れを引いて、觴(さかずき)を流すための「曲水」を作り、人々はその傍らに順序よく並んで坐った。
琴や笛のような音楽はないが、觴がめぐってくる間に詩を詠ずるというこの催しは、心の奥深い思いを述べあうのに十分である。

 
是日也,天朗氣清,惠風和暢,
仰觀宇宙之大,俯察品類之盛,
所以游目騁懷,足以極視聽之娛,信可樂也。

この日、空は晴れわたり空気は澄み、春風がおだやかに吹いていた。
仰げば広大な宇宙が見え、見下ろせば万物の盛んなさまがうかがえる。
こうして目を遊ばせ、思いを十分に馳せ、見聞の娯しみを尽くすのは本当に楽しいことである。

 
夫人之相與,俯仰一世,
或取諸懷抱,悟言一室之內,
或因寄所託,放浪形骸之外。

そもそも人間が同じこの世で暮らしていく上で、
ある人は一室にこもり胸に抱く思いを友人と語り、
またある人は志の赴くままに、肉体の外に、自由に振舞う。

 
雖趣舍萬殊,靜躁不同,
當其欣於所遇,暫得於己,快然自足,不知老之將至。

どれを取りどれを捨てるかもみな違い、静と動の違いはあるけれど、
その境遇を喜び、それぞれ合致すればよろこび合う。暫し自分の意のままになるとき、人は快く満ち足りた気持ちになり、老いていくのも気づかない。

 
及其所之既倦,情隨事遷,感慨係之矣。
向之所欣,俛仰之間,已為陳跡,猶不能不以之興懷。
況修短隨化,終期於盡。

その行き着くところに飽きてくると、感情は対象に従い移ろい、感慨もそれにつれて変わってしまう。
以前の喜びはほんのつかの間のうちに過去のものとなってしまうが、だからこそおもしろいと思わずにはいられない。
ましてや、人の命は物の変化に従い、ついには死が定められていることを思えばなおさらである。
 

古人云︰「死生亦大矣。」豈不痛哉。
每覽昔人興感之由,若合一契,
未嘗不臨文嗟悼,不能喻之於懷。

昔の人も「死生はまことに人生の一大事」と言っているが、何とも痛ましいことではないか。
昔の人がいつも何に感激していたかを見ると、割り符を合わせたかのように私の思いと一致し、
その文を読むたび嘆き悼まずにはいられないが、我が心を諭すことはできない。

 
固知一死生為虛誕,齊彭殤為妄作,
後之視今,亦猶今之視昔

死と生を同一視するのは偽りであり、
長命も短命も同じなどというのはでたらめであることは知っているものの、
後世の人々が現在の我々を見るのは、ちょうど今の我々が昔の人々を見るのと同じことだろう。

 
悲夫故列敘時人,錄其所述,
雖世殊事異,所以興懷,其致一也。
後之覽者,亦將有感於斯文。

悲しいではないか。それゆえ今日ここに集う人々の名を列記し、それぞれ述べたところを記録することにした。
時代は移り、事情は異なっても、人々が感慨を覚える理由は、結局は一つである。
後世の人々もまたこの文に共感するにちがいない。


以上。

拍手[108回]

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【2011/10/10 16:53 】 | n書道 | 有り難いご意見(13)
<<90年代ネタ:洋食などin北京 | ホーム | 毛穴の汚れを除去するマスクとジェルin北京Watsons>>
有り難いご意見
蘭亭序に拍手
蘭亭序とみどりさん訳に、拍手。
時空を一気に飛び越えて今のここまで届くこの感覚に、ブラボー!
【2011/10/10 18:05】| | ノーメイクyukiyama #9b3a05a2b7 [ 編集 ]


愛と哀しみの性書女みどり★
すげえ! 
まだ、「永和九年癸丑の歳、6月初め、圓明園画家村のアトリエで王強がいきなり私のブラウスを剥ぎ取り……」までしか読んでいませんが、あとでじっくり全文を勉強させていただきます。

辛亥革命100年記念といえば、中國國家博物館で革命偉人たちの墨蹟を一同に展覧する名書展をやっていました。孫文だけでズラーッと壁一面に軸ものが。大多数は日本の支援者に対するお礼揮毫とみえ、「佐々先生」「高橋先生」などの献詞つき。ぼくは孫文って昔から個人的にまーったく評価できないのですが、その理由に“悪筆”ってのもあるんです。改めて、どれをとって見てもヒドイ悪筆だなあと。

まぁ、ミド氏のように名筆家でも脳内がイカレてるような人もいますから、悪筆の革命家と名筆の脳内処女、どっちがまともかは判断が分かれるところですね。
【2011/10/10 22:33】| | benz770k #3a17f7f0e8 [ 編集 ]


私が100%訳したんじゃないって!
私が訳したのは10%くらい。複数の他人のをつなげただけです。内容としては1600年以上経た今でも文章が生きているのがすごい。

>どっちがまともかは判断が分かれる
分かれません!いつなんどきでもアタシがまともだ!
【2011/10/12 09:19】| | みどり2位♪你的四周美女有那么多 #55ff3e0e6c [ 編集 ]


無題
とてもわかりやすく宿題の参考になりました
【2015/08/31 07:18】| | ペリカン #55ffc3af84 [ 編集 ]


宿題って高校で書道選択とか?
コメント有難うございます。この訳はかなりの人の役に立っているはずです。拍手ボタンが歴代2位ですから。検索ワードで「蘭亭序 訳」も非常に多い。でもこうやってコメントでお礼書く人はそうそういない。
【2015/08/31 17:52】| | みどり就不能像睡美人一样(眠り姫のように) #4fcc6c1339 [ 編集 ]


この記事
今初めて読みました。

2011年当時、気づかずに読んでないままでした。

昨日お礼コメントと、先生の返礼コメントが無かったら、ワタシこの記事見逃したまま人生終わってたことでしょう。

この記事で世紀の名訳に出会えて、みどり先生と同じ時代に生を受けたことに深く感謝の念を抱きます。

先生、素晴らしすぎます!!
【2015/09/01 13:51】| | ペン字修行中 #2957da0157 [ 編集 ]


おお!一番人気記事になってしもうた
ペン字修行中さんは2011年といえば、北京にいたよね?一緒に故宮の蘭亭展に行かなかったんだっけ?皆さんに配ったプリントには最後のページにこの原文と訳をつけたのだけど。今思えば、北京滞在が数年だけの方のことを考慮し「短期滞在限定用の資料」を作成し、有意義なお話ができればよかったと反省している次第で。すみません。書道ネタはたくさんあるけど、子どもが学校行き始めてからにします。

私、古文読めませんから。たくさんある訳を読み比べて、原文に忠実に、そしてわかりやすい言葉にしただけです。ただ、元の内容が奥深すぎて、今読んでも、感動すらしました。すごいぞ、酒飲みながらの王羲之。
【2015/09/01 17:11】| | みどり本应该来迎接你的(迎えに来てくれるはずの) #4fcc6c425e [ 編集 ]


同じく
コメント欄から飛んできました。10%でもこれだけ繋げたのが、すごいです。そしてありがとうございます。人間の根本はそう変わらないのですね。王羲之、故宮で売ってたしおり辺りからちゃんと覚えました(笑)
【2015/09/02 07:32】| | むぅ #7143c8873c [ 編集 ]


朝ご飯作りが憂鬱
王羲之は中国人なら誰でも知っている。中国で書家一人を挙げろといえばこの人。中学の教科書にも出てきていた。蘭亭序の写真とともに。この記事を書いた2011年に故宮で蘭亭の展覧会があったから、ちゃんといろいろ調べて資料作った。それまでは知識も大してなかった。書家は多すぎるし、私はもっと癖のある字の方が好きだし。
【2015/09/02 08:41】| | みどり我想要独占这个人(この人を独占したい) #9a84af2d8d [ 編集 ]


蘭亭序benz訳
北京故宮の蘭亭序展見に行きました。日本で開催したらとんでもない人数が押し寄せ、3時間待ちになるくらいの濃い内容で、北京に住んでいてよかったことの一つです。あの時蘭亭序の字の書いてある60元だったかの長い傘を買いそびれたのが後悔です。
それにしても、ちょっとピンクな解説が天才的な、蘭亭序benz氏訳をぜひ見てみたいものです。
【2015/09/02 22:25】| | jojo #575602a345 [ 編集 ]


東博なんてすぐ〇時間待ちってなりますよね
jojoさん、9月8日からまた故宮書画館で展示が始まります(故宮でボランティアしている人が微博でいろいろ教えてくれる)、今回は前期後期に分かれている。後期の情報がまだないのですが、蘭亭が出るみたいなんです。だからまた皆さんで行く日を決めないと。

benz氏訳を見たかったら、本人にメールしてください。ここは見ないから。本人曰く「くだらないブログは見ない」。
【2015/09/03 07:11】| | みどり你还差得远呢(まだまだだね) #9a84af2d8d [ 編集 ]


無題
ちょうど今習字でこれをやり始めたところで気になって書き下し文を読んだのはいいのですが、内容が5割しか理解できませんでしたので、このサイトがありとても助かりました。有難う御座います。
【2019/02/22 20:47】| | 有難う御座います #581bfc5ba8 [ 編集 ]


習字じゃなくて、書道では?
書き下し文で内容を5割理解というのは、レベルが相当高いのではないでしょうか。

どこかでブログは続けていますので、「北京 みどり」で私を探してください。また何かお役に立てれば。
【2019/03/01 16:17】| | みどりブログ主 #5296a3e68b [ 編集 ]


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