一応最後の日も書いておく。

午後の飛行機で北京へ戻る日。トランクの中を整理するくらいで、あっという間に実家を発つ時間になった。

　デカいトランクが二つ。ダンナはしっかり一つアトリエ行き、一つ市内のアタシんち行きと分けていて、A型だから？そういうのをきびきびときちんと分ける（アタシもAだけど）。

　最後の買い物は近所のスーパーへ行って食品を買うこと。娘は飴を買っていた。日本のお菓子は美味しいって。友達にあげたりするらしい。あと、小さいトランクは子ども達専用で、カップラーメンを二つしのばせていたな。カップラーメン、日本のは優秀だと思う。中国の不味いもん。

　成田に着いて、自分で機械でチェックインするでしょう？わてら4人分のうち、どうしても2人分が読み取れず、カウンターに並ぶ。私達の後ろに中国人の団体が並び、職員に機械でやりましたか？と聞かれたら、一人が流暢な日本語で「僕達、ああいうの苦手ですから。こっちに並んだほうが早い」と堂々と言っていた。私らの番になって、初めは一緒にいたダンナが後ろの方へ行っちゃって、中国人女性と親しそうに歓談している。手続きが終わって駆け寄ると、「她是美院的同学」（美大の同級生）。フリーで旅行に来ていた。もう日本へは何回も来ているという。トランクじゃなくて、ファスナーの布のバッグだけど、これ以上大きいのを見たことないってくらいデカいの。「ダンナが何買ったんだ？」って聞いたら、「炊飯器とか」って。彼女はものすごい荷物だった。

　免税品店でダンナが「○○の奥さんに資生堂の化粧品を買う」と言った。おいおい！なんでもっと早く言わないの。化粧品専門店だと高いのしかないのよね。食品も家電もなんでも売っているところで、高くはない化粧水と乳液を買う。

　今回はものすごーーく久しぶりにANAに乗った。ゲーム、アタシがやるようなのがなかったわ。ちっ。しょうがないから（おいおい）、映画見て、中森明菜聴いて。
 

　北京着が21時くらいだったけど、ダンナがじいさんに電話してあって、迎えに来てもらうという。空港から市内の自宅へ行き、私らと荷物を下ろして、ダンナとじいさんはアトリエに行く。そんなにじいさんを働かせたら悪いじゃないのよと言ったら、ダンナは「爸爸必须得来接我们」（お父さんは迎えに来るべきだ）。何でそんなに偉そうなのよ。ちなみにじいさんには日本酒、ばあさんにはポンプ式の洗顔料を買った。

　日本滞在8日間。子ども二人とダンナがいたら、あっという間だ。

　息子の遺憾。「回転寿司に行かなかった」。ダンナ、お寿司あまり食べないから。あと「ラーメン食べなかった」。ダンナ、日本のラーメン嫌いだから。帰国は毎回パパと一緒じゃないから、「次回は絶対回転寿司とラーメンね」と子ども達と約束した。私も行きたかったよ。

（完）

[9回]